素敵な思い出を二人で

written by ゆき

ハク誕生日前日
明日はハクの誕生日!

頑張ってケーキ作ったけど少し失敗しちゃった…作り直す時間無いけどこのままなのはハクに申し訳ないから他に何か作れないかな?他に何か作れないか考えてみよう!

「ケーキだけだと少し寂しいかな…?」

(もう少しケーキに飾りをつけてみるとかありかも! ハクと私のアイシングクッキーとかどうかな?クッキーを上手に作れたとしてもデザインの方を失敗しちゃうかもしれないし、その反対も有り得るよね…でも年に一回の記念すべき日だもん!ケーキ少し失敗しちゃった分頑張らないと!)


ハク誕生日当日
「ハク!お誕生日おめでとう!」

「ありがとう」

「ケーキとアイシングクッキー頑張って作ってみたんだけどちょっと失敗しちゃって…」

「大丈夫だ、お前が作るものならなんだって上手いからな」

「ほんとに?」

「ああ」

「ケーキは形が少しだけ崩れちゃって、クッキーは焼き加減を間違っちゃって少し焼きすぎたの、でもねデザインは頑張れたよ!食べるのが勿体ないくらい!」

「そうか、見るのが楽しみだ」


「準備してくるからここで待っててね!」

「俺も手伝おうか?」

「ダメ!ハクは今日主役なの!主役には休んでもらわないと」

「わかった、お前がそこまで言うなら大人しくしてよう」

「絶対にだよ!」


(喜んでもらえるといいな…)

準備万端なはずなのに色々と不安になってくる。ケーキやクッキーの味や見た目にサプライズのプレゼント…これ以上失敗しないように頑張らないと!

(よし!まずはケーキを運ぼう!トッピングのアイシングクッキーを落とさないように気をつけて…)


「持ってきたよ〜」

「どこが崩れたんだ?」

「ここだよ」

「これぐらい気にしなくて大丈夫だ、気にならない。それに例え崩れていたとしても美味ければなんの問題もない」

「そうなんだけど、やっぱり年に一度の記念すべき日だから…」

「俺はお前に祝ってもらてるだけで、お前が傍にいてくれるだけで嬉しい」

「ハク…」

「ゴホン、いや…」

そう言ったハクは少し頬を赤くして照れている。

「…私もこうして祝えることが、ハクがここにいてくれていることが、とても嬉しいよ。ありがとう!」

そう言いハクに笑顔を見せる。

「これからもよろしく」

「こちらこそ!」


ケーキを切り、アイシングクッキーもお互いのを取り、余りで作ったイチョウ型のクッキーも半分ずつ分け合った。

ハクは『食べるのがもったいないな』と言っていたけど、『お前が折角作ってくれたのを無駄にする訳にはいかない』と言い綺麗に食べきった。

美味しそうに食べるハクを見て私も食べてみたけど味見した時より美味しく感じた。


楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、ハクと色々食べながら話をしていたら気づくと夕方になっていた。

「ハク、今日は本当におめでとう!」

「俺こそ礼を言わせてくれ、今日はありがとう」

「ふふ、でもまだ終わりじゃないよ!ちょっとだけ待っててね」

「わかった」


(プレゼント買ったのはいいけど喜んでもらえるかな?もし喜んでもらえなかったらどうしよう…ダメダメ!明るい気持ちで祝わないと!)

「とりあえず深呼吸しよう」

「ふぅ…大丈夫…よし行こう!」


「おかえり」

「ふふ、ただいま!」

「何してたんだ?」

「じゃーん!誕生日プレゼント!内緒で準備してたの!」

「ありがとう」

「喜んでもらえるかはわからないけど…」

「お前がくれたのならなんでも嬉しい」

「開けてみて!」

「これは…」

「星をモチーフにしたアクセサリーだよ、気に入った…?」

「あぁ、気に入った。だからそんな不安そうな顔をするな」

「ふふ、良かった!」

「今度、どこかに行く時これを付けよう」

「ほんと!?嬉しい!行きたい場所とかあるの?」

「いや、お前と行くならどこでも楽しいし、礼がしたい。だからお前が行きたいところに連れて行こう」

「お誕生日祝っただけなのにそこまでしてもらうのは勿体ないよ…!」

「俺がしたくてするだけだ、気にするな」

「…じゃあ、お言葉に甘えて!予定空いてる日教えてね!その日の前日までには決める!」

「急がなくていい、二人でゆっくり決めよう」

「うん!」


今日はハクの誕生日。
そのはずなのに私の方が嬉しい気持ちを貰っているのは、楽しんでいるのは気の所為ではないはず。
この気持ちをいつか今以上に二人で共有できたらいいな、と思いを寄せたのだった。

ハク先輩お誕生日おめでとうございます!! 素敵な企画に参加できて嬉しく思います! 末永くお幸せに!